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第163回【衆】厚労委員会 尾辻厚労大臣

163-衆-厚生労働委員会-1号 平成17年10月05日

○尾辻国務大臣 このたび、厚生労働大臣を引き続き命ぜられました尾辻秀久でございます。
 厚生労働行政の当面する諸課題の解決に向け、今後とも先頭に立って取り組んでまいりますので、委員長、委員各位を初め、国民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。
 厚生労働行政の使命は、国民の抱く不安を払拭し、国民生活に安心と活力をもたらす礎を築いていくことにあります。急速な少子高齢化の進行や人口減少社会の到来、厳しい財政状況の中で、持続可能で安定的な社会保障制度を構築するための不断の改革、少子化の流れを変えるための各般の対策の実施、国民の雇用や健康の問題などへの取り組みなど、諸課題の解決に全力を傾注する決意であります。
 社会保障制度については、内閣官房長官のもとに設置された社会保障の在り方に関する懇談会において、年金、医療、介護など社会保障制度全般について、負担と給付のあり方を含めた一体的な見直しの御議論をいただいているところであり、厚生労働省としても、引き続き、国民が安心して暮らすことができる社会保障制度の構築に向け、自立支援と予防をキーワードにたゆまず改革を進めてまいります。
 特に、医療制度改革については喫緊の重要な課題であり、患者本位の良質かつ効率的な医療提供体制を構築するとともに、高齢化等に伴う医療費の過大、不必要な伸びを抑制し、国民皆保険制度を持続可能なものとしていく必要があります。このため、新たな高齢者医療制度の創設等に関し次期通常国会に関連法案を提出できるよう全力を尽くしてまいります。
 年金制度については、基礎年金国庫負担割合の引き上げや被用者年金制度の一元化などの課題のほか、短時間労働者への厚生年金適用拡大にも鋭意取り組んでまいります。
 社会保険庁改革については、私のもとに設置した社会保険新組織の実現に向けた有識者会議の御意見をいただきながら、引き続き、国民の目線に立った質の高いサービスの提供や、国民年金保険料の収納率の向上のための取り組みを初め、さまざまな業務改革を速やかに進めてまいります。あわせて、社会保険事業について国民の信頼を回復し、その安定的な運営を図るため、抜本的な組織改革を実現してまいります。
 少子化対策については、子育てを社会全体で応援していくという考え方に基づき、若者の自立、働き方の見直し、地域の子育て支援など、子ども・子育て応援プランにより各般にわたる対策を着実に実施してまいります。
 雇用情勢については、厳しさが残るものの、改善が進んでいるところであります。しかしながら、特に若者を中心にミスマッチが依然として大きく、また雇用情勢に地域差が見られることから、若年者雇用対策や雇用情勢の地域差を解消するための施策を重点的に実施してまいります。また、人口減少社会の到来を控え、高齢者等の雇用対策、各世代に必要とされる職業能力の開発、向上の促進、男女雇用機会均等の推進などにより、すべての人が自律的に働くことができる社会の実現を目指してまいります。
 国民の健康を守る取り組みについては、健康寿命を延ばすことを目標に健康フロンティア戦略を推進するとともに、患者、国民の視点に立ったがん対策の推進、医薬品や食品の安全性の確保などに引き続き努めてまいります。
 障害者施策については、障害者が地域で自立し安心して暮らせるよう、保健福祉施策の抜本的な改革が必要であります。
 このため、今国会に再提出いたしました障害者自立支援法案において、身体、知的、精神といった障害の種別ごとにサービス提供の仕組みが分かれている現状を改め、市町村が一元的に福祉サービスを提供する仕組みを創設するとともに、利用者負担の見直しや国の財政責任の明確化などを通じた制度の安定化、サービス事業者への規制緩和、就労支援施策の充実といったさまざまな施策を盛り込んでいるところであります。本法案の一日も早い成立をお願いいたします。
 同時に、雇用施策については、さきの通常国会で成立した精神障害者に対する雇用対策の強化等を内容とする改正障害者雇用促進法の着実な施行に万全を期すとともに、福祉施策との連携を図りつつ障害者の就労支援に取り組んでまいります。
 大きな社会問題となっているアスベスト問題については、被害の拡大防止や国民の不安への対応などに政府一体となって取り組んでいるところであります。また、過去の対応については、先般、検証を行ったところですが、十年、二十年後には再びその俎上にのせられるべきものと考えております。厚生労働省としては、建築物の解体工事現場等における暴露防止措置の徹底、アスベスト製品の製造等の早期の全面禁止、新たな法的措置による被災者救済のための仕組みの構築等、関係省庁との緊密な連携のもと、全力かつスピード感を持って取り組んでまいります。
 また、働き方の多様化が進む中で、重大な労働災害の頻発、長時間労働に伴う健康障害の増加など労働者の生命や生活にかかわる問題の深刻化に対処するため、労働安全衛生法等の一部を改正する法律案を再提出したところであり、本法案の一日も早い成立をお願い申し上げます。
 厚生労働行政には、このほかにも多くの課題が山積しております。私は、これら諸課題の解決に向けて全力を尽くしてまいりますので、委員長を初め皆様方の一層の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)


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